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Poem -Love Collection-

独り夜(ひとりよる)

一人眠る夜は
夢の訪れすらももどかしくて
焦がれるほどに朝は遠くて
ただ寂しさが増すだけだとわかっているから
耳を澄ますだなんてこともしないのに

 ─── しとしとしとしと ───

窓の外 踊る雨の歌声が響いてる
それが聞えてしまうことが切なくて
けれど一人笑う空しさを抱える気にもなれずに
灰色したブラウン管 ただじっと眺めてる
そこに映る自分をぼんやりと見つめて

一人眠る夜は
抱きしめるぬくもりもなくて
抱きしめてくれる優しさもなくて
外は雨 しとしとしとしと降りゆく雨
中も雨 貴方を恋うて流す雨
悲しいのじゃないの
わがままなだけなの
貴方のぬくもりが いますぐに欲しくて

この雨の向こうで 貴方も想ってくれているのかな
その心に わたしはちゃんと宿っている?
そんなこと聞いたらきっと貴方は
馬鹿だなって ちょっと怒った顔をするんだろうな
そうして軽く苦笑をするの 手に取るようにわかるのに
だけどね こんな一人眠る雨の夜は
そんな言葉は幻でしかなくて
寂しくなんかないわ なんてそんな言葉も
強がりでしかなくて

 ─── しとしとしとしと ───

早く朝が来るといい
朝陽を浴びて 心も晴れやかになれば
街のざわめきに 雨の音も消えてなくなれば
そうしたらとびきりの
とっておきの笑顔浮かべて
あの人に"おかえり"が言えるだろう