Poem -Love Collection-
わたしの知らないあなた
思わずため息をつく癖が いつのまにかついてた
毎日 毎朝 一度だけの吐息
「なくて七癖」なんて言葉があるほどに 知らぬ間に覚える癖はたくさんあって
自分が知らずにあなたの知ってる癖も きっとたくさんたくさんあって
だけどきっとこのため息を あなたが知ることはないままで
それはそれでいいのだし それはそれでいてほしいけれど
だけど ふぅ
漏れてしまうこの吐息
止めることなんてできなくて
─── だって
「いってらっしゃい」の後が 一番寂しい……
「今日はなにかお洒落だね」 そんな言葉にふふんと笑う
あなたじゃない人にそう言われて だから喜んでるんじゃないのよ
外で待ち合わせ 外でお買い物 いつもと少しだけ違うことが新鮮で
だから張り切ってしまっただけ それってはしゃぎすぎかな?
一人浮かれた顔でお洒落してるわたしを あなたが知ることはないままで
それはそれでいいのだし できれば少し気がついて欲しいけど
だけど ふぅ
きっとあなたはあなたらしく
気づいたって素知らぬ顔でいるんだろうな
─── だけど
こっそり照れてるって知っているから やめられない
あなたの知らないわたしもわたし
だけどあなたがいるから在るわたし
願わくば
わたしの知らないあなたも そうであってくれればいいな