Poem -Life Collection-
道程
手の届かないものに
思わず手をのばしてしまうのは
どうしてなのか
憧れともいえる
遠くを見つめたがる瞳が
未来ではなくて
過去の風景をとらえる
どこで道を間違えたのか
分岐点などない一本道を
まっすぐ歩いてきたはずなのに
後ろに広がるのは
曲がりくねって先の見えない
まるで迷路
知らないうちに
気づかないほどさりげなく
いくつもの答えを選択していた自分
無数の世界から
現在を選び取った
生まれ落ちた場所は偶然
けれど現在は必然
自分で築きあげた過去
歩んできた道のり
手の届かないものに
手が届くように
一歩ずつ必然を積み上げる
高くさりげなく 高く少しずつ
繰り返す
可能性の中から
たった一つを選び出すために